米国で普及する「従業員持ち株制度」(ESOP=イソップ)を、日本に導入する動きが広がってきた。
既存の従業員持ち株会に似た制度だが、長期的な株価上昇を目指して従業員のやる気を引き出し、
会社側にとっては買収などに備えた安定株主として期待できるメリットがあるなど、違いがある。
企業の競争力を高める観点から、経済産業省も本格普及へ向けて研究を始めた。
●やる気引き出す
「ESOP」とは従業員持ち株制度の英語の頭文字を取った呼び方で、例えば三菱UFJ信託銀行は、
3月に日本版ESOPの「ストック・リタイアメント・トラスト」のサービスを開始した。
その仕組みは、まず企業が三菱UFJ信託を通じて自己株式を対象とした信託を設定、
三菱UFJ信託は従業員が退職するまでといった一定の年数にわたって管理・運用した後、
従業員に株式を支給するというもの。
既存の持ち株会が比較的短期間でも株を引き出せる財形貯蓄的な性格が強いのに対し、
「ESOPは長期にわたり、株価上昇を期待した従業員の労働意欲が継続する」(星治・フロンティア
戦略企画部統括マネジャー)とされる。さらに、福利厚生としても退職年金の補完などの活用法がある。
野村証券も今月からESOPサービスを始めたが、こちらは自己株式の信託に持ち株会を組み合わせ、
拠出額に応じて企業が持ち株会に株式を配分する。株価下落のリスクは企業がかぶる仕組みになっており、
広島ガスが導入を決めた。
会社側が対象となる従業員を特定するストックオプション(自社株購入権)とも違って、
広範な従業員が加入しやすいのも魅力だ。
●買収防衛にも
持ち株会は企業側にはメリットが乏しいが、ESOPなら金庫株(自己株式の取得)に似た効果が期待でき、
安定株主を増やす狙いにも資するとされる。信託された株式については議決権が発生するが、星氏は
「ガイドラインを設けて粛々と対応するので、企業に脅威となるような存在にはならない」と話す。
米国では、確定拠出年金などとともに普及が進んでおり、加入者数が2006年に1000万人を超えた。
日本も昨今のM&A(企業の合併・買収)機運の高まりを受けて、買収防衛もにらんだ安定株主づくりを
急ぐ動きが広がっている。
経済産業省は企業の競争力を高める観点から、ESOPを通じた従業員のステークホルダー(利害関係者)の
側面に注目。「今後検討を進めるべきテーマ」(産業組織課)として、金融機関からヒアリングを始めるなど
研究に着手した。
ただ、長い歴史を持つ持ち株会に比べて認知度が低く、実際の制度設計にあたっては法律、運営面の
特別な注意が必要となるなど、ESOPが日本企業に定着するかどうかはなお未知数だ。
http://www.sankei.co.jp/keizai/kinyu/070820/kny070820000.htm
既存の従業員持ち株会に似た制度だが、長期的な株価上昇を目指して従業員のやる気を引き出し、
会社側にとっては買収などに備えた安定株主として期待できるメリットがあるなど、違いがある。
企業の競争力を高める観点から、経済産業省も本格普及へ向けて研究を始めた。
●やる気引き出す
「ESOP」とは従業員持ち株制度の英語の頭文字を取った呼び方で、例えば三菱UFJ信託銀行は、
3月に日本版ESOPの「ストック・リタイアメント・トラスト」のサービスを開始した。
その仕組みは、まず企業が三菱UFJ信託を通じて自己株式を対象とした信託を設定、
三菱UFJ信託は従業員が退職するまでといった一定の年数にわたって管理・運用した後、
従業員に株式を支給するというもの。
既存の持ち株会が比較的短期間でも株を引き出せる財形貯蓄的な性格が強いのに対し、
「ESOPは長期にわたり、株価上昇を期待した従業員の労働意欲が継続する」(星治・フロンティア
戦略企画部統括マネジャー)とされる。さらに、福利厚生としても退職年金の補完などの活用法がある。
野村証券も今月からESOPサービスを始めたが、こちらは自己株式の信託に持ち株会を組み合わせ、
拠出額に応じて企業が持ち株会に株式を配分する。株価下落のリスクは企業がかぶる仕組みになっており、
広島ガスが導入を決めた。
会社側が対象となる従業員を特定するストックオプション(自社株購入権)とも違って、
広範な従業員が加入しやすいのも魅力だ。
●買収防衛にも
持ち株会は企業側にはメリットが乏しいが、ESOPなら金庫株(自己株式の取得)に似た効果が期待でき、
安定株主を増やす狙いにも資するとされる。信託された株式については議決権が発生するが、星氏は
「ガイドラインを設けて粛々と対応するので、企業に脅威となるような存在にはならない」と話す。
米国では、確定拠出年金などとともに普及が進んでおり、加入者数が2006年に1000万人を超えた。
日本も昨今のM&A(企業の合併・買収)機運の高まりを受けて、買収防衛もにらんだ安定株主づくりを
急ぐ動きが広がっている。
経済産業省は企業の競争力を高める観点から、ESOPを通じた従業員のステークホルダー(利害関係者)の
側面に注目。「今後検討を進めるべきテーマ」(産業組織課)として、金融機関からヒアリングを始めるなど
研究に着手した。
ただ、長い歴史を持つ持ち株会に比べて認知度が低く、実際の制度設計にあたっては法律、運営面の
特別な注意が必要となるなど、ESOPが日本企業に定着するかどうかはなお未知数だ。
http://www.sankei.co.jp/keizai/kinyu/070820/kny070820000.htm
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